日本一周をしよう

タイトルの通りです。それ以上でもそれ以下のことでもありません。

日本一周をします。まあ決意表明みたいなもんですかね。

 

おそらく九割九分の人たちはなぜ日本一周をする必要があるのだろう?と思っていることでしょう。

 

僕自身も別段日本一周がしたいわけではありません。どちらかというと日本全国のありとあらゆる場所を旅してその結果として、日本一周のようなものになるといった方が正しいでしょう。

まあ大した違いはないですね。傍から見れば似たようなもんです。

でも僕からすれば結構この違いが重要で、僕個人としては日本という広大な国を隅々まで旅したいのです。その結果が日本一周のようなものになるだけで、自分が一番大事なものはすべてその過程にある様々な事象との出会いなのです。逐一これを説明するのがめんどくさいので便宜上日本一周といっているだけですね。

 

思えば大学生活もとっくに折り返しを過ぎ、怠惰で自由なモラトリアム生活も終わりが近づいて来ました。

僕自身最近気づいたことが自分という人間は結構保守的な考え方をしてるみたいなんですね。風来坊で根無し草の旅人気取りのくせして社会のレールから外れることを何よりも恐れています。たくさんの人から認めてもらった自分の趣味を生業にしていくことも多分ありません。普通に実家に帰って雇われのサラリーマンになるつもりです。

そりゃあできることなら一生死ぬまでバイクに乗って、日本中の風景を写真に収めて、風の吹くまま気の向くままあちこち放浪して人生を過ごしていきたいですよ。

でもそれができるほど僕は何もかもを捨てることはできません。今まで育ててもらった家族に恩も返したいし、仲良くしてくれた友人達と離れるのも寂しいし、いつか家庭を築いて人並みの幸せを手に入れたいのです。いくら旅が好きだのなんだのほざいていても結局僕にとっては家族や友人と引き換えにできるほどのものではありませんでした。

 

これまでは旅も自分の居場所もどっちつかずでなあなあにして済ませていましたが、大学生活が終わればこの矛盾した状態にもケリをつけなければなりません。

そして少なくとも今現在、僕は社会人になったとして一度走り出したレールを降りるつもりもなければ、自分の夢に向かって道標のない荒野を突き進む勇気もありません。

結局は帰る場所がないと生きていけない臆病者というわけです。

 

一度就いた仕事を辞めて自由気ままにを旅している人、そんな人と話をしたとき僕は羨ましいとは思う反面、自分なら仕事を辞めてまで旅をすることは絶対にないとも思いました。旅を終えた後に帰る場所が無くなること、今まで手に入れたモノを失うことを何よりも恐れているからです。

自分の趣味を突き詰めた結果その道のプロとしてそこに居場所を築き上げた人、そんな人と話をしたとき僕は心底憧れはすれど、自分なら普通にサラリーマンとして平凡な人生を送るのだろうと思いました。結局は自分自身の可能性を信じ切ることができなかったからです。

 

とはいえ結局はこれも逃げていることに変わりはありません。今の居場所から旅立って新天地で幸せな場所を見つけた人や、自分の可能性を信頼して自分のやりたいことで生きている人が世の中にはごまんといます。

それでも、たとえレールから外れることですべてを失う可能性がほんの少しでもあるならば、僕は自分の居場所と自分の夢を天秤にかけた時迷うことなく家族や友人を選びます。

それほどまでに僕の中で家族や友人が大事なものになってしまいました。

 

この夏、僕は小学生のころから思い描いていた日本一周という夢を叶えます。

こんなふざけた頭の悪い旅ができるのも残りわずか。

平成最後の夏は僕にとっては今まで散々謳歌してきた自由との別れの夏でもあります。

きっと来年の今頃はスーツに身を包んで量産型の就活生に紛れ込んでいることでしょう。今まで散々夢や自由がどうのこうのほざいてきた結果がなんの代わり映えもないようなありきたりな人生というのは些か面白みに欠けると思いますよね。

でも僕はその普通の、ありきたりな人生が幸せだと思うようになりました。少なくともバイク、写真、そして旅と引き換えにしてでも手に入れたいと思うくらいには。

 

結局何が言いたいかというと、今年の夏僕は誰よりも楽しい夏を過ごすつもりだという事です。

誰よりも笑って泣いて怒って楽しんで、いろんな景色や人々に出会って、思いつく限りのやりたいことをやり切ったうえで、自分の夢にケリをつけて、旅と自由を愛した自分に別れを告げ、普通の人生を送るために。

 

 

まあやっぱり悲しいっちゃ悲しいですけどね、できることならもう一度大学生活をやり直したいくらいにはこの自由な時間をいつまでも楽しみたかったです。

でも不思議と今ものすっごいワクワクしてるんですね、だって自分の夢がとうとう叶うんですから。たとえこの旅を終えて40年間の社会人生活に向けて舵を切っていくことになっているとしても、この夏どんな出会いが僕を待っているかと思うといてもたってもいられなくなります。

 

 

結局はどんな形であれ旅が好きなんですね、どうしようもないほど旅が楽しいのです。

マジですげえ楽しみです、日本一周するのが。