西日本一周 その11

 卒業式も終わってあと数日で入社式だというのにいつまで僕は3年も前の旅を振り返ってるんでしょうかね。

 これが文章だけや、写真だけの形式ならばもう少しスムーズに投稿できるんでしょうが、いかんせん写真を選定して文章を組み上げて、この繰り返しの作業が果てしなくめんどくさいのです。30分もキーを叩いているといつしか写真を編集する事に夢中になってそのままお休みというパターンで延々と下書き状態のまま進むことがありません。

何とか気合を入れて西日本を書きあげましょう。

でないと北海道のfall in the darkを記事にできないですからね。

 

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道の駅で目を覚ました僕は、道路を挟んだすぐ目の前の海を赤く照らす太陽を見つめながら昨日高千穂に置き忘れたモバイルバッテリーに思いを馳せていました。

いやマジどうしようかなモバイルバッテリー

まあいいや、昼になったら電話しよ

 

そうですね、考えても仕方のない事をくよくよ悩んだところでお構いなしに朝日は昇るのです。とりあえず出発するしかないんです。

 

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ここにも鬼の洗濯板が

宮崎におけるツーリングスポットとして真っ先に上がるのが『日南フェニックスロード』です。

要するに海岸線をずっと走る国道なんですが、合間合間に観光スポットがあるのでいつしか観光道路としての側面を持つようになったそう

面白いのがこのフェニックスロード、起点がどこかイマイチ定まってないんですよね。

ネットで調べても言ってる事バラバラなんで僕の中での起点はこの道の駅フェニックスからです。

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このフェニックスロードはこの旅の中でも結構走ってて楽しかった記憶があります。

なんというか起伏に富んでいて楽しい道なんですよね。

初めはこうやって海沿いのワインディングが続くんですが、ちょうどいい頃合いに景色が切り替わって行くのです。

 

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時折こうして山あいの長閑な田んぼ沿いを抜けていきます。

もう稲を刈り終えた田んぼには人っ子一人いませんでした。

 

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時折現れる上り坂を登っていくと

 

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今度は眼前に太平洋が広がる絶壁ワインディングコースです

あんまり景色に見とれていると、チャチなガードレールを飛び越えて太平洋に飛び込んでしまうでしょうね。

それも悪くないかと思えるほど暑かったのを覚えています。

 

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この辺までくると主要な幹線道路からも外れてしまうので交通量もめっきり減ってきます。昨日からの絶景続きで僕はもうすっかり宮崎の海の虜になっていました。

 

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そうこうしているうちにこの道も終点に近づいてきました。このフェニックスロード、起点は兎も角終点だけは誰もが口をそろえてこの岬が相応しいと答えるでしょう。

 

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それが今日のハイライト、都井岬です。

入場料に環境保護費200円を支払ってゲートを抜けた後は

空を羽ばたく様に岬の先端まで一本道が続いています。

 

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ここ都井岬では全国でも珍しい環境保護費という名目で入場料がかかる岬です。

環境保護費の200円が何のお金かと言うと

 

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馬の保護費ですね。

ここは全国でも珍しい野生の馬が生息しています。

特に面白いのは全く人の手が介在していないという点です。

 

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野生の馬なのに保護費用を徴収するのはまた不思議な話じゃないかと思うかもしれませんが、実際ここの馬は誰の飼育下にも置かれていません。

人間がここの馬に関与するのは年1のワクチン接種と頭数調査の際のみで、保護費用はその為だけに使われています。あとはまあゴミ拾いとかでしょう。

後は全て自然の為すがままに、生まれ落ちる時も命を終える時も

その全て自然の摂理に従って彼らは生きています。

観光客やビジターセンターの職員はただそれを観測するだけなのです。

 

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そんな訳でこの岬では平気で馬が道路上を闊歩しています。

野生ですからね、人間に彼らの行動を制限する理由は一つもないのです。

 

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なるほど確かにこれは終点にふさわしい場所ですねぇ

そんな話を他の観光客と話していました。

 

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野生の馬と記念写真です

でもこれ今冷静に考えたら立ち位置によっては後ろ蹴り飛んでくるんでしょうね。

それもまた野生

 

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岬の先端にはこじんまりとした灯台が一つありました。

どうやら登れるみたいですね、登ってみましょう。

 

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うーん、これはなかなかの展望ですねえ。

この視界のどこかに野生の馬が悠々と闊歩していると考えるとなかなか壮大な景色に思えてきます。

 

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岬に1店舗だけあるお土産屋兼食事処

どことなく沖縄っぽい感じがするのは植生のせいでしょう

ビン詰めのコーラが狂いそうなほど美味しかったです。

 

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THE 南国の木

さわるとゴワゴワしてました

 

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フェニックスロードの名前に恥じない素晴らしい終点でした。

次の目的地に出発するのが名残惜しく感じるほどにはもう少しこの場所にいたかったですね。

どことなく夢見心地のまま野生を謳歌する彼らに見送られて次は鹿児島県です。

 

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鹿児島県に入ってすぐのタグリ岬休憩所

右端に見えるのは遊園地だそうです

 

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これがその遊園地

まぁなんとも青いビーチでしたね、沖縄レベルです

 

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反対側

誰も泳いでいる人はいません。ただ青い海と焼けた砂浜だけが視界を埋め尽くしていました。

しばらく海沿いを走り続けているとだんだん交通量も増えてきました

 

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なるほどこれが桜島ですねえ

噴火してますがこれが平常運転だそうで、路肩を見るとうっすらと火山灰が降り積もっていました。

 

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展望台から見る錦江湾

海を挟んで反対側に鹿児島市街地が見えますが、たいして興味をそそられません

それよりも火山と言えばそうおなじみ

 

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無料の足湯と

 

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温泉です

案の定安いのに豪華な温泉で大満足でした。

マグマ温泉という名前はなかなか熱そうでしたが湯加減もちょうどよかったです。

 

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お風呂上りに夕陽を見ながら足湯に浸って夕食を

丁度温泉の向かいにあるスーパーでうまい事半額弁当を買えたのでテンション高いんでしょうきっと

 

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足湯につかりながら桜島鹿児島市を結ぶフェリーを見ていると何となく千と千尋の神隠しの序盤に出てくる神様の船を思い出しました。

 

あ、そういえば温泉はいる前に高千穂の道の駅に電話したら職員の方がバッテリーを一式預かってくれているので一安心でした。

鹿児島で実習を終えた後また取りに行けばいい感じに九州を8の字で回れるし結果オーライかと

 

いよいよ2日後に約束のゼミの先生に飯奢りタイムが近づいてきた僕の心境はもうなるべく豪華な飯をねだる事しか考えていません。

 

旅のクライマックスも近づいてきた夜

遠く水面に浮かぶ鹿児島市の街灯りを見つめながらまだ見ぬ御馳走を想いながら夜は更けていきました。